相続対策について

被相続人にできる相続対策

相続が発生した場合にまず問題となるのが、相続人の間での分割方法や相続税、そして遺言書の扱いです。このページでは「相続させる側」である被相続人の立場に立って、相続対策についてわかりやすく説明しています。

福岡県糸島市の三愛地建株式会社は、長年相続に携わってきた経験から、皆さまが安心して手続きを進められるよう、誠心誠意サポートいたします。どうぞお気軽にご相談ください。

相続の生前対策について

「生前対策」とは

「生前対策」とは

「生前対策」とは、文字通り被相続人がまだ生きている間、つまり相続が発生する前の段階で準備する対策のことです。「うちの家族は仲が良いから大丈夫」「縁起でもない話はしたくない」と、相続について真剣に考えるのを先送りしてはいませんか?

人生には何が起こるかわかりません。ある日突然事故に遭ったり、認知症で判断能力を失ったりする可能性もあるのです。被相続人としても、いざ相続が発生した後になって、仲が良かったはずの相続人同士が揉めたり争ったりする姿を見たくはないはずです。

相続人たちにできるだけ負担がかからないよう、事前に明確な形で、来たるべき相続の準備をしておきましょう。

遺産分割対策

遺産分割対策

相続時に発生するトラブルで一番多いのは、実は財産の「分割」に関するものです。預貯金など、キレイに分割できるものだけならまだしも、土地や家屋といった不動産は、簡単には分割ができません。

どんなに仲の良い家族でも、金銭面での「不公平」は争いの種になりがちです。一度不満を持ってしまったら、お互いへの不信感がどんどん大きくなって、やがて修復が不可能なほどの不仲に発展することも珍しくないのです。

分割の対策として有効なのは、遺言書を用意して、事前にどのように分割するかをきちんと決めておくことです。被相続人と相続人同士が、日頃からお互いの考え方や気持ちをしっかりと伝え合い、納得できる方法を見つけられるようにしましょう。

相続税の資金対策

相続税の資金対策

分割方法が決まれば、それぞれが相続する金額に応じた相続税の額もわかります。相続税は基本的に、「相続が発生したことを知った日の翌日から10か月以内」に納めなければなりません。納税するだけの資金があるか、なければどうやって準備するかということも、前もって考えておく必要があります。

相続税の軽減対策

相続税を軽減する対策も前もって検討しておきましょう。大きく分けて次の2つの方法が考えられます。

  • 1
    各種の制度や特例を利用する。
    例:小規模宅地等の特例(最大80%評価減)、相続時精算課税制度、生命保険の非課税枠など。
  • 2
    財産評価を下げる。
    例:保険や金融商品などを購入して財産の形を変える、所有している土地にアパートを建てる、贈与して財産を減らすなど。

二次相続

二次相続

例えば父親が亡くなったときに、まず1度目の相続「一次相続」が起きます。次に父親の財産を相続した母親が亡くなると、父親の残した財産に対する2度目の相続が発生します。この2度目の相続が「二次相続」です。

一次相続の場合には配偶者控除もあり、税額が軽減されますが、二次相続の際はこの控除はありません。この点も考慮した上で、相続対策を検討する必要があります。

生前贈与

生前贈与と相続との差とそのメリット

生前贈与と相続との差とそのメリット

「生前贈与」とは文字通り、生前に財産を相続人に贈与することです。これに対し「相続」とは、被相続人が亡くなった後で、相続人が財産を継承することを言います。生前贈与の大きなメリットは、贈与する側、つまり被相続人が自分の意思で、財産を相続させる相手を好きなように選べる点です。また、後述するように毎年110万円以内の贈与を続けることで、残す財産を減らす意図で行なわれるケースもあります。

非課税制度の紹介

贈与にあたっては贈与税がかかるため、場合によっては相続よりもコストがかかってしまうというデメリットも。非課税制度を上手に利用して、税の負担を減らすようにしましょう。

暦年贈与

暦年贈与

年に110万円以下の贈与であれば、基礎控除が適用されるため、贈与税はかかりません。この控除は贈与を受け取る側の人に発生します。例えば2人の子供に対して、毎年110万円ずつの贈与を10年間続ければ、2,200万円を無税で贈与できるのです。

※ただし、相続が発生した時点から3年以内に行なわれた贈与に関しては、110万円以内でも相続税の対象となります。

注意点

注意点

生前贈与はきちんとした知識がないまま安易に行ってしまうと、相続よりもむしろ費用がかかってしまったり、控除が効かずに贈与税を払わなくてはならなくなったりするケースもあります。
また、相続人の「受け取る」という意思表示がないまま贈与が行われた場合には、贈与とみなされずに相続の対象となることも。親が子供名義の口座を作って、積み立てを行う場合などがこれにあたります。

生前贈与をする際には、親子の間でも贈与契約書を作るなど、双方がきちんとその意思を確認しておくことが不可欠です。

遺言書

遺言書がある場合の相続

遺言書がある場合の相続

相続が発生した場合、遺言書がある場合とない場合では、いったい何が違うのでしょうか。遺言書がない場合は、相続人は基本的に、法定相続分を相続することになります。これに対し遺言書がある場合には、遺言書に記載された通りに財産が分割されます。

正式な遺言書があれば、不動産の相続登記をするときも遺産分割協議書が不要なため、相続人同士での揉め事も減るでしょう。また、登記の際に添付する書類の数も少なくて済み、手続きがスムーズに進められます。

ただし、特定の相続人に「全財産を譲る」といった、他の相続人の遺留分を侵害する内容の遺言書は、相続が「争続」となる原因にもなりかねません。理由があってそうする場合は、相続人予定者全員に事前にしっかりと説明し、了解を取ることをおススメします。

相続登記に使える遺言書とは

不動産の相続登記に使える遺言書は、法律の条件を満たし、相続する不動産が特定できる記載がなくてはなりません。具体的には、以下のどれかに当てはまる遺言書が必要です。

  • 公正証書遺言書(公証役場で作成されたもの)
  • 検認を受けた自筆証書遺言書(被相続人が全文・日付・氏名を自著し押印したもの)
  • 検認を受けた秘密証書遺言書(内容を明かさずに公証役場で作成されたもの)

検認とは、遺言書が間違いなく被相続人によって作成されたものであることを、家庭裁判所で判定することです。

現在は上記3種類の遺言書以外は、法律上認められておりません。たとえ被相続人本人が作成した遺言書でも、メモ書きや形式を満たしていないものには、遺言書としての法的な効力はないのです。遺言書の作成を思い立ったら、上記のどれかの形で正式なものを作るようにしましょう。

登記原因証明情報
  • 遺言書
  • 被相続人の死亡時の戸籍謄本
  • 相続人の戸籍謄本(被相続人の死亡日以後に発行されたもの)
住所証明情報
  • 相続人の住民票
  • 被相続人の住民票の除票(本籍記載のもの)
不動産の固定資産評価証明書
代理権限証明情報
  • 委任状(司法書士などに依頼する場合)

※その他、遺贈を原因とする際は、印鑑証明や登記識別情報が必要となる場合もあります。

財産把握

財産の把握はなぜ必要なのか?

財産の把握はなぜ必要なのか?

親が所有している財産について、詳細を把握しているという人は少ないのが実情です。しかし、万一親が突然事故に遭ったり急な病で倒れたりした場合に、預貯金や保険について何も知らなければ、治療費も払えませんし保険金の請求もできません。

さらに相続が発生したときにも、財産の状況がわからなければ、まずはその把握から始めなければならず、相続人にかかる負担は大きなものになります。

遺産相続について生前から話し合うことに「「抵抗を感じる」という方もまだまだ多いのですが、無用なトラブルを避けるためにも、親子でしっかりと話し合う機会を設けることをおススメします。

把握したい財産のリスト

相続を視野に入れたとき、あらかじめ把握しておくべき財産には以下のようなものがあります。

  • 預貯金
  • 株式や投資信託など
  • 借入金
  • 生命保険
  • 自宅以外にある不動産

最低限、「財産の所在」だけでも確認しておく

最低限、「財産の所在」だけでも確認しておく

具体的な資産総額を知らせるのは難しくても、口座のある金融機関や証券会社、不動産の場所など、財産の所在だけでも最低限共有しておくようにしましょう。そうすれば万一のときにも一から探す必要がなく、相続にかかる手間を減らすことが可能です。

「どうしても直接相続の話をするのは抵抗がある」という場合は、「エンディングノート」などを利用して、「これさえ見てもらえればわかる」ようにしておくのもおススメです。

家族信託

家族信託とは

家族信託とは

最近利用されるようになった制度に、「家族信託」があります。これは自分で財産を管理できなくなったときのために、信頼できる家族に権限を託し、管理や処分を任せるものです。

家族信託は、「委託者」「受託者」「受益者」という3つの役割の間で実行されます。「委託者」「受益者」を資産の持ち主である親、つまり被相続人とし、相続させたい相手を「受託者」に設定すれば、その財産の管理は被相続人の生前から受託者が行えることになります。

例えば、委託者兼受益者である被相続人が認知症になったり介護が必要になったりしたときに、受託者は所有者である被相続人の了解がなくても、その資産を動かすことができるのです。

被相続人が亡くなった場合にも、次の受益者に別の身内を指定しておけば、その財産を管理する受託者は変わらないことになります。

また、遺言書では一次相続までしか指定できないのに対し、家族信託を利用すれば二次相続まで想定した受益者の指定ができるため、より自由度の高い相続人の指定ができるのも大きなメリットだと言えるでしょう。

利用方法

利用方法

家族信託を利用するためには、まずは委託者と受託者の間で信託契約を結ぶことが必要です。この契約では、管理する財産の範囲や管理方法、受益者などについての取り決めをします。

次に信託用の銀行口座を開設し、不動産の信託登記を行います。その際、委託者から受託者への、名義の変更が必要です。

以上で家族信託の運用ができるようになりますが、信託財産に不動産がある場合には、固定資産税評価額の1,000分の4にあたる登録免許税が発生します。詳しくは三愛地建株式会社まで、どうぞお気軽にお問い合わせください。